第3回 「ピラミッドの中に風が吹く」 [大ピラミッド・通気孔]

大ピラミッドには「女王の間」と「王の間」と呼ばれる内部空間があります。

これら2つの部屋には、それぞれ「シャフト」と呼ばれる細い斜孔が南北に延びています。

第一回において、私はシャフトが一般に言われているように「空気孔」であると述べました。



そして、第二回において、私はピラミッド内部の照明が、

オリーブオイルを主な燃料とするオイル・ランプだと述べました。


もし、これら2つの要素が、密接な関係を持っていたとしたらどうでしょうか?



「通気孔」と「オイル・ランプ」です。



察しの良い方は、もうお分かりですね。


そう。



「熱対流」

です。




女王の間の手前には「水平通路」という横坑があるのですが、

水平ダクトでは、なかなか熱対流が起こりません。

ところが、傾斜のあるダクトにおいては、温度差があれば、熱対流は容易に起こります。



しかも、シャフトは、女王の間を出て若干水平に延びたあとは、

一直線に外を目指しています。

ダクトが真っ直ぐ延びていると、空気の乱流や滞留が起こりにくくなります。

途中で折れ曲がっていたり、水平部分があると、

そこに「空気のふた」のようなものができやすくなるのです。

(一直線に延びることで、外までの距離を短くするという効果も、当然あります)


とくに、外気温が下がる夜間においては、

温度差が大きくなり、

一層熱対流は起こりやすくなっていたことでしょう。


ピラミッドの中には、炎の揺れる灯りがあり、

微風(びふう)が吹いていたのではないでしょうか。


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