第4回 「謎の扉」 [大ピラミッド・通気孔]

大ピラミッドの「女王の間」から南へ伸びたシャフト。

ここには「ジュディ」以前に「ウプウアウト」という名の探索ロボットが入りました。

1993年、ルドルフ・ガンデンプリンクはウプウアウトを使い、

南のシャフトの入口から60余メートル地点に

「謎の石の扉」

を発見しました。



この謎の扉は「ガンデンプリンク・ドア」とも呼ばれています。

詳しくは「アルケオ・ニュース」↓を参照。
http://www.archeonews.net/2011/05/blog-post_30.html


ガンデンプリングドア.gif



その扉には、金属製と思われるドアのハンドルのようなものが左右についています。

さて、第1回でも述べたように、このシャフトが実用的な構造物「通気孔」だったとすると、

この謎の扉もまた、実用的な目的を持ったものだと考えることができます。



今回、ウプウアウトの後を継いだジュディは、

謎の扉が薄い(約6センチメートル)石の板であることとを確認し、

ドアの後ろに更なる障壁があるのを発見しました。



つまり、扉は、シャフトを永続的に塞ぐ役割を負っていたとは思えないのです。

むしろ、



「シャフトが通気孔として機能していたときに使用されていた」



ように見えるのです。




思い出して下さい。

第1回で「排気口付近」を指していると私が考えた、あの赤いヒエログリフを。

大ピラミッドが完成する以前、あの場所は通気孔の出口として機能していました。

外気と通じていたのです。謎の扉は、まさに当時の排気口の場所に使われていました。

謎の扉は、永続的にシャフトを塞ぐためのものではなく、もっと日常的に使われたと考えるべきでしょう。

現代で言えば、換気口を一時的に塞ぐ蓋やルーバーのようなものです。

では、なぜ、一時的にでも排気口を塞ぐ必要があったのでしょうか。




話は飛んで、ダハシュールに「赤いピラミッド」と呼ばれる最初の真正ピラミッドがあります。

真正ピラミッドとは、遠目に見たとき階段状ではなく四角錐の形をしているピラミッドです。


赤いピラミッド.jpg
↑赤いピラミッド
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E3%81%84%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89


赤いピラミッドは、クフ王の先代「スネフェル王」のピラミッドだと言われています。

このピラミッドの玄室を見学するには、一定の勇気が必要です。

内部は湿度が高く、アンモニア臭がたちこめているからです。

潔癖症の方はお止めになったほうがいいでしょう。

このアンモニア臭の原因、お分かりになりますか?



「コウモリ」


です。湿度とアンモニアの主たる原因は、コウモリの糞尿なのです。


コウモリは、洞窟を好みます。

彼らは超音波を発して周囲の様子を把握することができますので、

暗闇でも体を岩の壁にぶつけることなく、洞窟の奥まで入っていくことができます。

彼らは集団で洞窟を住処とします。

このコウモリ、4500年前に存在していなかったはずはありません。




当時最高の技術をもって建造中であった大ピラミッドの内部が、

コウモリの住処となるなど許されるはずがありません。

そこで、内部に人がいないときは、通気孔に蓋をしなくてはならないのです。

もちろん、コウモリだけでなく、虫の類の侵入も防がなくてはなりませんから、

四隅まで隙間なく扉を閉める必要があります。



その必要から造られたのが金属のハンドルのついた「石の扉」だった、というわけです。



謎の扉は、コウモリや虫の侵入を防止する蓋だったのです。

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