第6回 「5寸勾配」 [大ピラミッド・下降通路]

大ピラミッドの正規の入口から「地下の間」まで続く通路は、

「下降通路」

と呼ばれています。

英語では「エントランス・パセージ(入口通路)」です。




この下降通路の傾斜角はおよそ26度。

安比高原ザイラースキー場の上級者向けコースが、最大斜度26度ですから、

かなり急な下り坂です。

なぜ、このような角度になったのでしょうか?




そのひとつめの理由。

これは私の仮説ではなく、すでに知られていることですが、

非常に興味深いものです。



日本の屋根建築では、古くから

「五寸勾配(ごすんこうばい)」

と呼ばれる屋根の傾斜があります。

これは、「10寸進んで5寸の高さになる角度」です。

もっと単純に言えば、「横に2つで縦1つ」です。

五寸勾配の傾斜角は26.6度。




4500年前に作られた大ピラミッドの下降通路も、

まったく同じ発想で造られています。

「2キュービット進んで1キュービット下がる」

そういう角度を選んだわけですね。

これなら、誰でも簡単に角度を確かめることができます。




ちなみに、下降通路の途中から「王の間」に向かう

「上昇通路」と「大回廊(だいかいろう)」も、

同じく約26度の傾斜角です。




「横に2つで縦1つ」

そんな屋根を見たら、

大ピラミッドの下降通路を想像してみてください。


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