訳出する際の配慮 [つぶやき]

これは素晴らしい問題提議。

http://55096962.at.webry.info/201111/article_5.html


→「現在位置を確認します」

(「ファイストスの円盤」!!!)



ヒエログリフは絵文字っぽいので

現代人からすると少し稚拙なイメージをもってしまうのですが、

当時の人間にとっては、文字の習得は

大変困難なことでしたから、

大真面目に使っていたものなんですね。



なので、ヒエログリフを現代語に訳すときには、

その辺りへの配慮、

古代エリートへのリスペクトを込めた訳出が必要だろうと

常々思っていました。



たとえばジェル王のラベル。

djer2.jpg

この1段目。


大城道則氏は、これを「場面」だと解釈しています。

アニメーションのような表現として受け取っています。

少々残忍な祭祀の場面だというわけです。



私は、これらは、全て「文字」だと思っています。



1段目右端上は「上エジプトが下エジプトを受け取った」という意味です。

下は殺害の場面ではなく、

「異国人の広範な打倒」

を意味しています。

よくみると、後ろ手に縛られた人物と胸を刺す人物の間に、

台形の四角が見えます。

これは「広大な」「広範な」を意味しています。

残虐な祭祀の場面ではなく、打倒が広範囲に及んだことを示しているのです。



「下エジプト併合の異国人の征伐」


という意味になります。



次の槍のようなもの。

これは三角形と棒を持った人間に分割されます。

棒を持った人間は「貴族」または「役人」です。

三角は、おそらく「用意する」「準備する」であろうと思います。

どこかのノモス、おそらくは上エジプトの出身地のノモスの長が、

記念に献上したのでしょう。




私流の解釈では、


「下エジプト征夷併合記念祭に献上されしトト神の化身ナル王の彫像が、

(ジェフウトより)神殿に奉納されしこと

(実際は、その年であることを指していると推測する。奉納されし年、の意味)」


となります。




「これは、役人が重要な記録をするつもりで書いたものである」

という前提で訳出すべきなのです。










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